保育園の設計 ~レイアウト編1~
2023/08/29 #保育園の設計の基礎

保育園の設計 ~レイアウト編1~

保育園の設計、建築の費用は、一般住宅よりもかなり高額になります。
また、一般住宅よりも厳しい安全・衛生基準をクリアした建築材を使わなければなりません。

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保育園の設計

保育園の設計、建築の費用は、一般住宅よりもかなり高額になります。
部屋、キッチン、トイレ等、必要な設備は一般住宅に似ていますが、すべて小さな子どもに合わせた特殊なサイズになります。
また、一般住宅よりも厳しい安全・衛生基準をクリアした建築材を使わなければなりません。
手洗い、トイレ等の水回りの数は住宅の何倍も必要で、窓も住宅よりも大きなものが必要になります。
高いお金をかける保育園ですので、もちろん安全で、使いやすく、長く愛される園舎を作りたいものです。
しかし、見た目のデザインばかりを重視した使いにくい死角だらけの危ない保育園、現場の意見を無視した不衛生で不思議な動線の保育園(例:仕切りのないトイレと仕切りのない給食室が隣接している等)、子どもが簡単に外に飛び出てしまうような設備や構造に欠陥のある保育園、基準違反の園舎のため監査の度に指摘を受ける保育園(例:給食室に手洗いがない等)など、残念な園舎を多く見かけます。
そうした残念な園舎を作らないためにも、設計の初期段階から以下のポイントを押さえておきましょう。
保育園の設計~レイアウト編~は、1と2の2回にわたって解説します。

1 法令、基準を確認しましょう

該当する制度(認可、認可外、企業主導型等)の法令や基準、保育園が建つ自治体の基準をまずは確認し、建築士にこれらの基準に適った設計をするよう依頼しましょう。
大まかなレイアウトができたなら、市区町村の保育課を訪問し、基準に合致しているかどうか相談するとよいでしょう。作った後に基準違反になってしまったら取り返しがつきません。

<基準の一例>

  • 子どもが長い時間過ごす保育室は、必要な窓面積(採光)が定められています。
  • 子ども一人当たりの保育室の必要面積が定められています
    (認可等では0・1歳児一人あたり3.3㎡以上、2歳児以上は一人あたり1.98㎡以上が必要)。
    この保育室面積の算出の際には、児童用ロッカー等の固定家具、大型の固定遊具の面積は除外しなければなりません。
  • 保育園の建物は、玄関のほかにもう一つの出入り口である避難口が必要です。
    この二方向避難の考え方、基準は自治体によって大きく異なりますので十分確認しましょう。
  • 園舎内の子どもが出入りする場所のすべてのドアノブ、扉の取っ手、鍵は、子どもの手が届かない位置に設置しなければなりません(床から高さ150cm等)。
    これは、子どもがドアや扉を勝手に開けて外に出てしまわないための安全基準です。
  • 給食室、児童用トイレは、壁や扉で仕切る必要があります。

  • 家庭のような壁のないオープンキッチン、扉のないトレイは不衛生であるため厳禁です。

2 収納は、使い勝手を左右する大きなポイント

保育園を設計する際によく見逃されてしまい、開園後に設置しなかったことで非常に困るものが収納、納戸です。
保育園は、想像以上に必要な物品、遊具、書類が多く、それらをしまう場所が必要です。
どんなに立派な園舎を作ったとしても、収納や納戸がなければ物であふれかえり、きれいな園が台無しになってしまいます。
子どもの布団、椅子、机、遊具がいつも保育室や廊下に出しっぱなし、身長計、体重計をしまう場所がない、書類が机、足元に山積みになっている等、ゴチャゴチャと物であふれかえった保育園となってしまいます。
玄関まわりに収納や納戸がないため、ベビーカーや外遊びの遊具で玄関の半分以上が埋まっている園を見かけることもあります。
そうした事態にならないためにも、各保育室、廊下、事務室、玄関回り、園庭等に、十分な収納、納戸を設置しましょう。
収納の大きさ、形状は、保育園をよく知っている人と建築士が時間をかけて十分に打ち合わせを重ね、設計することが大切です。この収納、納戸は、園の使い勝手を大きく左右する重要なポイントです。

3 水回りは変更できない!設置場所は事前にしっかり考えましょう

給食室やトイレ、保育室の手洗い、洗濯室等の水回りは、一度設置してしまったら、まず二度と動かすことはできません。
追加することも難しく、変更や追加には、床や壁をはがして配管を通す大工事が必要になり現実的ではありません。
だからこそ水回りの位置は、子どもの動き、職員の動き、使い勝手をよくよく検証し、最も適した場所に設置しましょう。
給食室は保健所の基準を満たしつつ(2つ以上のシンク、手洗いの設置等)、調理、盛り付け、配膳、洗浄等の流れを十分に考えた上で水回りの場所、形状を決めましょう。
児童用トイレ、職員用トイレは、毎日の子どもの動きや職員の動き、衛生面を十分考慮して便器や手洗いの場所を決めましょう。
便器の数、手洗いの数や形状も、職員数や児童数、児童の対象年齢を十分検証した上で設計しましょう。
保育室内の手洗いも同様です。手洗いの大きさ、形状、数、位置も、その保育室で過ごす児童の年齢、人数に応じて決めましょう。
設置場所は、保育の邪魔にならないように、保育室内の子どもの動きを考えて決めましょう。
洗濯機は、子どもが触ることができない安全策を施し(子どもが出入りしない場所に設置する等)、洗濯したものを干すまでの作業の流れも考えて設置場所を決めましょう。

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