保育園の運営委託業者を公募する際に気を付けたいポイント
現在運営している保育園が何を目的に運営しているのかをしっかりと把握した上で、どのような委託業者に委託を受けてほしいのか考える必要があります。
目 次
保育園の委託運営とは
病院や企業内保育園の運営は、設置者が通常行っている業務とは全く異なります。
保育園は従業員のお子さま(地域のお子さまも)の大切な命を預かる非常に責任のあるものです。
「通常の業務とは違う仕事内容でお子さまの大切な命を預かる」ことは、担当者や担当部署にかなりの負担が強いられます。
専門の保育園運営委託業者に任せて運営することが望ましいです。
もちろん自社で運営することも可能ですが、通常業務に加え、負担の大きい保育園運営業務をこなさなければならないため、委託運営を選択する病院や企業が多くあります。
委託運営の基本概念と目的
保育園の委託運営の基本概念は、「ハード面は委託者、ソフト面を受託者」です。
保育園の建物、土地、必要な設備は委託者が準備し、保育士の採用・教育、保育園運営全般を受託者が請け負うことになります。
委託の目的は、委託者が業務に集中できるようにすることです。
委託者は保育のノウハウを持ち合わせていないため、専門性の高い受託者に保育の部分を任せます。
公募による事業者選定プロセス
(1)病院や企業内で、公募を出すこと自体と公募の形式を決定。
(一般競争入札か指名競争入札なのか、プロポーザルなのか)
(2)公告内容、仕様書の内容決定(仕様書の内容は委託業者と相談するのが望ましい)
(3)公告する
(申し込み期日、企画提案書の提出期日、プレゼンテーションの開催日程等を記載する)
※余裕のあるスケジュールで設計しないと、参加してくれる業者の数が極端に少なくなる可能性があります
(4)入札(企画提案書とプレゼンテーションの総合評価が望ましい)
(5)業者決定
(6)契約内容協議の上、契約
保育園委託における公募手続き
公募をすることが決まってから業者確定に至るまで、一般的なスケジュールは約半年間と言われています。
公告内容や仕様書の内容を詰めること、申込みの期日や企画提案書の提出期日の設定など、準備しなければいけないことは数多く存在します。
必要な書類と情報掲載方法
【必要書類】
(1)公告(公募要項) (2)仕様書 (3)区分表(費用区分・業務区分) (4)保育園の図面 (5)過去の預かり実績
【情報掲載方法】
自院・自社ホームページの調達情報、もしくは入札情報に掲載"
公募する前に確認しておきたいポイント
公募をして、参加業者が1社では公募の意味がありません。
競争入札を実施するからこその公募です。
1社だけではなく、複数社に参加してもらうための参加条件をしっかりと設定することが大切です。
例えば、「○○市内に事業所を設置していること」や「○○市内で認可保育園を○○年以上運営していること」のような参加条件を加えると地元密着の安心感のある企業に参加してもらえます。
一方で、地元以外の業者が参加しにくくなるというデメリットもあります。
全国的に手広く展開している保育園の委託業者はあまり多くはありません。設定した参加条件で複数社に参加してもらえるかどうかは見極める必要があります。
運営方針と保育内容
運営方針は、業者によってさまざまです。実際にその保育園が何のために誰のために設置したものなのか、運営方針が保育園の存在意義とマッチングしているのかをチェックしましょう。
保育内容も運営方針同様に業者によって全く違います。
預かり人数が多い認可保育園のような一斉保育なのか、子どもたちの自主性を重んじた子ども主体の保育なのか。
どちらもメリット、デメリットがあります、より今の保育園に合う保育内容を実践している業者を選択しましょう。
給食や安全管理体制
給食は何パターンか存在します。
(1)保育園での自園調理、(2)保護者の持参、(3)院内や企業内の調理室で調理し、その後保育園に運んで配膳、(4)お弁当業者から毎日お弁当を配送。
複数の方法がありますが、今の給食の提供方法をそのまま踏襲するのが、保護者様やお子さまの混乱が少なくおすすめです。
安全管理体制は、お子さまの命を預かる保育園では特に重要です。
マニュアルはあるのか、保育職員への研修体制は十分なのか、リスクを回避するために、必要な管理をしている業者なのかしっかりとチェックしましょう。
サポート体制や金額
保育園だけで運営が成立するわけではありません。
本部からのサポート体制も非常に重要な要素です。
運営に必要なことを設置者・業者間で協議する定例会の実施、サポート役による運営のフォロー、園長先生をはじめとする保育職員全員の精神面でのフォローなど、本部からのサポートがあるのとないのとでは運営の安定感、安心感が違います。手厚いサポート体制が構築されている業者を選択することをお勧めします。
金額の算出方法は業者によってさまざまです。安かろう悪かろうという業者も実際に存在しますので、サービス内容もしっかりと考慮して金額だけではない選択をしましょう。
事例
これまで多くの保育園を直営、運営受託してきました。その中の事例をいくつかご紹介します。
12年同じ委託業者で継続運営、法人の指示で12年ぶりに公募を実施し、新たに運営受託をさせていただいた保育園
ある大きいグループ法人で、法人全体への指示があり、12年ぶりに公募を実施(それまでは随意契約で継続)し、新たに委託業者として選択して頂きました。
12年同じ保育方針で継続していたために保護者様からの反発は相当なものでしたが、保護者様と何度も何度も話し合いを続けて1年間運営をしてきました。
保育内容が一昔前に良しとされていたものでしたので、少しずつ保育内容を変え、保護者様にもご理解をしてもらいました。
結果1年目の卒園式では、保護者代表の方々に「キッズに変わってもらって今は本当に良かったと感謝しています」と涙ながらにお言葉を頂戴しました。
公募による新たな業者選定がプラスに働いたと実感した事例です。
何年もの間、代わり映えしないサービスしか受けられなかった保育園
ある地方都市での公募の事例です。
保育園は10年程継続して地元の業者が受託していました。
当社にて提案を行ったところ、提案内容が多岐にわたり、そのようなこともできるのかと目からうろこだった。
10年継続していた業者はそのような提案はなく、同じ保育内容で継続していたと担当者がおっしゃっていました。
委託業者によってやれることは違います。
同じ業者で長く運営している場合には、一度他社へも目を向けてみることをお勧めします。
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