良い保育園の特徴とは？成功する保育園運営のためのポイント

良い保育園の基本要素            

良い保育園と聞くと、具体的にどんなことが思い浮かぶでしょうか。
良い保育園とは、「保護者や保育士に選ばれる園」と言い換えることができます。
特徴としては下記が挙げられます。

(1)保育室の環境が整っている
(2)質の高い保育プログラムがある
(3)アレルギー等、食の対応がしっかりしている
(4)保育士が子どもに丁寧に接している
(5)保育士と保護者で密にコミュニケーションがとれている
(6)透明性のある運営をしている
(7)地域との関わりがある
(8)定期的な運営の評価と改善を行っている

ここからは、それぞれについてみていきましょう！           

安全で快適な保育環境

安全で快適な環境を整えるためには、設備管理、安全対策、衛生管理が重要です。
空調や電気設備、水回り等の定期的な設備点検と必要に応じた修繕はもちろん、子どもの指挟みの危険がある箇所、ぶつかった際にケガの恐れがある箇所に対策を行うこと、扉を自由に開閉できないようにするなど事故を防止するための安全対策が大切なポイントです。
衛生管理に関しては日々の清掃、玩具等の消毒を行うことで、感染症の広がりを防ぎ、安全で快適な保育環境を保つことを心がけましょう。            

質の高い保育プログラム

乳幼児期は人間の発達において重要な時期であり、保育プログラムは社会性、認知、情緒的な成長を促進する役割を果たします。
保育理念や保育目標に沿ったプログラム、年齢に応じたカリキュラムを組み立てることが重要です。
英語やリトミック、体操などのカリキュラムを外部で学んだ保育士もしくは資格を有した保育士が行ったり、外部講師を園に招いて実施する園もあります。
カリキュラムからの学びも大切ですが、遊びを通して大人が介入しない子ども同士の関わりから生まれる学びも成長には大きな役割を果たすため、カリキュラムと遊びのバランスがとれたプログラムを立てることが大切でしょう。

適切な食事提供とアレルギー対応

保育園は子どもにとって1日の大半を過ごす場所であるため、保育園で提供される食事は心身の成長と発達にとって欠かせません。
厚生労働省の「保育所における食事の提供ガイドライン」によると、「保育所での「食」の質は、保育の質として重要な位置づけであり、自園調理、外部委託、外部搬入という方法や条件の違いに関係なく担保される必要がある。」と明記されています。
また条件・方法に関係なく食事の提供の重要なポイントとして、
(1)年齢や個人差に応じた食事の提供がされている。
(2)保護者と連携し、発育・発達の段階に応じて離乳を進めている。
が挙げられています。

食物アレルギーへの対応としては、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」の中で、
(1)保育所における食物アレルギー対応にあたっては、給食提供を前提とした上で、生活管理指導表を活用し、組織的に対応することが重要です。
(2)保育所の食物アレルギー対応における原因食品の除去は、完全除去を行うことが基本です。
(3)子どもが初めて食べる食品は、家庭で安全に食べられることを確認してから、保育所での提供を行うことが重要です。
(4)誤食の主な発生要因となる人的エラーを防ぐために、保育所の職員全員で認識を共有し、対策を行うことが必要です。
と定められています。

食物アレルギーは命に関わるため、マニュアルを作成し、職員全員がアレルギー対応について理解しておく必要があります。
さらに、適切な食事の提供、アレルギー対応どちらにも共通する点ですが、保育士と保護者で連携し子ども一人ひとりの状況を確認すること、その情報を職員間で共有し、保育士全員が認識した上で対応を行うことが大切です。

出典：「保育所における食事の提供ガイドライン」厚生労働省
出典：「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」厚生労働省           

保育士の質と教育            

保育士の専門性と技術の向上が保育の質に直結するため、研修や教育によるスキルアップが重要です。
子どもの発達や教育方法は常に変化しているため、保育経験の長さに関わらず、常にアップデートし続ける必要があります。
自治体が主催する無料の講習会や、企業や団体が主催する有料の講習会、通信講座など学びの機会は多くあるため、これらの情報を提供し、保育士の参加を促しましょう。
外部研修等で学んで終わりにならないように、保育の中で実践し、振り返りや反省を職員間で行う園内研修の場を設け、インプット・アウトプット・共有のサイクルを回していく環境づくりが求められます。           

子どもへの個別対応  

保育園では、月齢も性別も性格も異なるさまざまな子どもが生活しています。
「何ヶ月であれば〇〇が、何歳であれば〇〇ができるようになっているはず。」と思い込むのではなく、一人ひとりの子どもの発達にあった関わりをすることが大切です。
しかし、発語や身体機能、他者とのコミュニケーションなどで著しく発達に遅れのある場合は、特別な支援が必要な可能性があります。
「動き回って落ち着かない」、「特定の行動をくり返し、日常生活に支障がある」、「興奮しパニックになる」など、保育の中で気付いた点は、保護者に共有し、その後の対応について、保育園と保護者、必要に応じて支援機関と検討することが重要でしょう。

保護者とのコミュニケーション            

保護者と関係を構築し、信頼を得るために重要なのが、コミュニケーションです。
保育園で楽しそうに遊んでいたこと、頑張ったこと、できるようになったことなどの1日の様子を伝え、日々小さなコミュニケーションを積み重ねることで信頼関係を築きましょう。
送迎の際に保護者と1対1のコミュニケーションを取ることはもちろんですが、行事や日々の様子を写真や文章などでまとめた園だより、ドキュメンテーションを配布したり、掲示したりすることも大切です。
また、保護者参加型のイベントを通じて、普段家庭では見ることのできない子どもの様子を見る機会や、親子の思い出づくりの場を提供することで、保護者満足度向上にも繋がるでしょう。          

透明性のある運営            

透明性のある運営には、「保育士にとって」と「保護者にとって」の2つの側面があります。
保育士にとっての側面では、園内でなにか問題が起こった時に、相談できる存在がいること、問題解決に向けて共に取り組んでもらえる環境があることが挙げられます。
保護者にとっての側面では、問題の有無に関わらず保護者会などで定期的に保育方針や日々の様子の共有があること、問題が発生した際には迅速で正確な情報の開示、適切な説明を行うことが求められます。
保育士にとっても、保護者にとっても、透明性のある運営を行うことは、保育士が定着し、安定運営に繋がり、さらには保護者からも信頼される保育園運営の実現に重要なポイントだといえます。           

地域との連携と評価            

地域との連携について、保育所保育指針の中で、地域との連携や協力・地域資源の積極的な活用によって、保育内容の充実を図ることが記述されています。
地域資源を活かし、さまざまな人やものと触れ合うしくみをつくることがポイントです。
地域イベントに参加したり、お散歩で近くの公園や出入りが自由にできる施設に立ち寄ることで地域資源を活用していきましょう。           

定期的な評価と改善 

保育園運営については、内部評価と外部評価を定期的に行い、そこで見つかった問題点を随時改善していくことが大切です。
内部評価は、保育の定期的なモニタリングや職員・保護者へのアンケート調査、園内研修時の職員間の情報共有、意見交換を通じて行われます。
外部評価は、主に行政や管轄団体による監査によって行われます。
内部・外部に関わらず、評価を通じて浮き彫りとなった点に関しては、職員間で問題、改善策を共有し、共通認識をもった上でより良い保育園運営に繋げることが重要です。         

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