保育園の設計 ~レイアウト編2~
保育園の設計について、子どもたちが最も長い時間を過ごす保育室、大切なのに見過ごされがちな玄関回り、保育園をよく知る人が設計に関わることの大切さを解説します。


保育園の設計
保育園の設計~レイアウト編1~では、法令・基準、収納、水回りについて説明しました。
その続きとなるレイアウト編2では、子どもたちが最も長い時間を過ごす保育室、大切なのに見過ごされがちな玄関回り、保育園をよく知る人が設計に関わることの大切さを解説します。
4 超重要!0歳児専用の保育室
「ドーンと広々とした大きな保育室が一つだけ、子どもは大きな一つの空間で一緒に過ごす」という保育園を見かけることがあります。
一見、のびのびとしていて楽しそうで、パーテーションで自由に間仕切りを変更できるので便利に見えます。
しかし、赤ちゃんと、もうすぐ小学生になる子どもたちが同じ空間で過ごすのは危険で、生活リズムも大きく異なるためとても無理があります。
こうした保育園では、四六時中、子どもの声や騒音であふれかえり、ゆっくりと眠ることも、食べることも、遊ぶこともできず、子どもにとっても職員にとっても大きなストレスとなります。
できれば、0歳児の部屋、1・2歳児の部屋、3~5歳児の部屋を分けることが望ましいです。
少人数の園ならば、せめて0歳児専用の部屋だけは設けましょう。
0歳児はまだ生活リズムが一定ではないため、眠たい時に眠り、お腹が空いたときにミルクを飲み、排せつも多く頻繁におむつを取り換える必要があります。
一人ひとりのペースで、ゆったりと安静に過ごせる空間が必要です。ミルクを作る場所(調乳室または給食室)も隣接している必要があります。おむつを取り換えたり捨てたりする場所も必要です。
それぞれの年齢の子どもたちが、安心して、快適に過ごすことができる部屋を設計段階で想定しておきましょう。
5 玄関回りはとっても大切
作った後に「ああしておけばよかった、これもあればよかった」と後悔することが多いのが玄関です。
そうならないためにも、安全面、使い勝手の観点から以下のポイントを押さえておきましょう。
<鍵>
一般住宅と同じ鍵を付けてしまうと、安全面に問題があり、使い勝手も悪くなってしまいます。
住宅の鍵だと内側から子どもが勝手に開けて出ていく危険がありますので、子どもの手の届かない高さ150cm程度の場所に設置しましょう。
できれば自動で締まるオートロック、カメラ付きのインターフォンとリモコンで遠隔開錠できる電気錠のセットが望ましいです。保護者がインターフォンを鳴らすたびに職員が玄関に来て、ドアの開錠・施錠を行うのはかなりの負担となります。
リモコン式の電気錠がない園では、開錠・施錠のために一人の職員が保育から抜けなければならず、結果としてもう一人雇用しなければならなくなりコスト高にもなります。
<広さ>
園児の多い園ならば、玄関の面積は大きく取りましょう。
送迎の時間帯には多くの保護者や児童が玄関に集中しごったがえします。
外遊びに出かける際もたくさんの児童が玄関に集まり、点呼を行ったり、靴を履いたりする空間が必要になります。
そうした状況を想定して玄関の面積を決めましょう。
玄関には、傘立てを置く場所も必要です。壁には保護者へのお知らせを掲示する場所もあるとよいでしょう。
今日の給食を保護者へ見せる給食展示ケースを置く場所があるとベターです。
<下足入れ>
定員分の児童数の靴、職員数の靴、来客の靴、これらすべて収納できるだけの下足入れを設置しましょう。
雨の日は、子どもたちは長靴で登園します。
長靴が入り、幼児の上履きも収納できる下足入れが望ましいです。
職員の業務用の上履き、外遊び用のスニーカーの収納場所も必要です。
職員は女性が多いため、冬はブーツを履いてくることも想定しておきましょう。
<収納や納戸>
登園時にベビーカーを利用することが多い地域では、ベビーカーを保育園でお預かりすることを想定しておきましょう。
玄関回りにベビーカーを保管する場所を確保しておかねばなりません。
保育園がお散歩時に使用するお散歩カーの収納場所も必要です。
そうした想定をしておかないと、ベビーカーもお散歩カーも屋外に出しっぱなしになったり、玄関に無理やり置いたりしなくてはならなくなります。
そのほか、外遊び用の遊具、玄関まわりや外を清掃する用具の収納場所も必要です。
<玄関と廊下を仕切る扉>
玄関と廊下、または玄関と保育室の間に扉があるととても快適です。
この扉がないと、玄関のドアが開くたびに外気が園内に入り込み、冷暖房効果が著しく下がってしまいます。
特に廊下がなく玄関から直接保育室に入るレイアウトの園舎の場合、冷たい風や熱風が幾度となく保育室に入り、常に寒い、常に暑い保育室となってしまいます。
保育園は多くの人が出入りするので、玄関が風除室となるように扉を設けましょう。
6 保育や調理をわかる人が常にチェック
保育園を毎日使うのは保育士、調理員です。
保育園は、これらの職員が安全に快適に業務に励むことができる環境であるべきで、そうした環境から質の高い保育サービス、給食サービスが生まれます。
建築士やオーナーのこだわりだけを反映した、デザイン偏重、コスト重視の園舎は、安全面や使い勝手が見過ごされ、後から追加工事や補修工事が必要となり結果として高くつきます。
経験豊かな保育士や調理員、または保育園運営のプロが設計段階から深くかかわり、しっかりチェックすることで、安全で、使いやすく、子どもたちや保護者、職員から長く愛される保育園となることでしょう。
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