保育園設計のポイント~園庭編~
園庭があると園内での活動の幅が広がります。しかし、設計を誤ると多額の費用をかけたにも関わらず、使えない園庭となってしまうかもしれません。園庭設計のポイントを押さえましょう。
目 次
はじめに
保育園と言えば、園庭で子どもたちが遊んでいる姿を思い浮かべる方も多いでしょう。
だからこそ、園庭には楽しそうなシンボルとなる遊具を設置し、子どもたちに思いっきり遊んでもらいたいものです。
ここでは、園庭を設計、設置する際のポイントを説明します。
誰が、何を使って、どのように遊ぶのか、を具体的に
なんとなくブランコや砂場を設置したけれど、あまり使われていない園庭を見かけることがあります。
それは、何歳の子どもたちが、どんな遊具を、どのように毎日遊ぶのか、を具体的に想定することなく作ってしまったケースかもしれません。
これから作る保育園では、どの年齢の子どもたちが、庭でどんな遊びをするのか、どんな遊びをしてもらいたいのか、をしっかり考えた上で設計しましょう。
0歳~2歳児が多い園では、鉄棒やブランコを設置しても遊ぶことは難しいでしょう。
見栄えだけよい大きく特殊な遊具が一つだけあっても、遊びの応用がなく飽きてしまうかもしれません。
鬼ごっこ、縄跳び、三輪車遊び、サッカーなどいろんな遊びをしたいなら、かえって遊具が少ないほうがよいでしょう。
園庭で運動会を開催したいのなら、園庭の中心に遊具を置いてしまうと運動会の妨げになります。保護者の見学できるスペースも考慮する必要があるでしょう。
小さな自然を整備した「ビオトープ」で、常に生き物にふれ、自然の四季の移り変わりを感じることができる園庭も魅力的です。
園庭の見た目よりも、どんな遊びをしてもらいたいのか、園庭でどんな行事を開催する予定なのか、ここが園庭づくりの出発点となります。近くに広くて楽しい公園があるのなら、そもそも高いお金をかけて園庭を作る必要はないのかもしれません。
無理して狭い園庭を作ったが、いつも公園で遊んでいる、といった悲劇にならないように保育に精通した人に事前に相談しましょう。
基準
園庭の設置が必須かどうか、園庭の面積基準、そのほかの園庭の基準はどうなっているのか、これらをよく確認しておきましょう。建築士の方に、これから作る保育園の監督官庁、自治体等によく確認するよう依頼する必要があります。
近くに公園や神社などがある場合は、園庭の設置を免除される場合があります。面積基準は、2歳児以上一人当たり3.3㎡となっています(認可保育所等の基準)。
そのほか、園庭からの避難経路、目隠しとなる壁の設置の有無、防音対策等、地域の事情によって基準が異なります。詳しく自治体等に相談することをお勧めします。
園庭にかかる費用
園庭はとてもお金がかかります。
小さな滑り台1台で100万円以上、小さなジャングルジムで200万円以上、いかにも楽しそうな大型の複合遊具だと1000万円以上もかかります。
木や花も立派なものほど高額です。子どもの安全のために遊具の定期点検の実施が必要で、定期的な砂の補充、園庭の土、ダスト舗装、芝、人工芝、いずれにしてもメンテナンスが必要です。園庭を覆うフェンスや柵も、長大で立派なものだと数百万円にもなるでしょう。
だからこそ、冒頭で申し上げたように、「誰が、何を使って、どのように遊ぶのか」を考え抜いて作ることが大切になります。
子どもたちが十分に遊ぶことができる広さ、応用性のある飽きのこない遊具、長期的な使用とメンテナンス性を考えた遊具や設備、こうしたことを事前に配慮しておきましょう。
園庭にあったらいいもの
以下に挙げたものは、あるととても役立ち、後から気付いた時には設置が難しいものとなります。ぜひ参考にしてください。
門扉
園庭と外を直接結ぶ門扉があると便利です。避難経路としてすでに設置義務がある場合もあるでしょう。
門扉は大きめのものがよいです。行事の際の保護者の出入り口、地域交流の際の出入り口、園舎や園庭の工事の際の資材の搬入口などに使用します。外から門扉の鍵を開け閉めできない安全対策は必須です。
手洗い、足洗い場、シャワー
子どもたちが園庭で遊んだ後の手洗いや足洗いができる水道、プール後のシャワーを浴びることができる場所が必要です。足洗い、シャワー後に園舎にどのように入るのか、児童の動線をよく考えて設置場所を決めましょう。
プール、水遊び用のタープ(日除け)
真夏の園庭はとても暑く、日差しが強いです。直射日光の下でプールや水遊びはできません。園庭のプール、水遊びの場所の上は、必ず日除けで覆いましょう。農業用の日除けのシートで覆っている保育園もあります。
日除けを支えるために、園舎の壁、フェンスや柵に丈夫なO型のリングを設置しておくとよいかもしれません。紐やカラビナで日除けを固定することができます。
倉庫
プール、ボール、三輪車、縄跳び、運動会用の道具、掃除用具など、さまざまなものが収納できる倉庫は必須です。
園庭用の下足入れ
園庭と玄関が直接つながっている場合は必要ありませんが、玄関と園庭が離れている場合には、子どもの園庭用の運動靴を預かり、下足入れに置いておく必要があります。保育園のレイアウント、子どもの動線をよく考えて、必要に応じて設置してください。
子ども用トイレ
これも保育園のレイアウトによって必要かどうか検討してください。
園庭のすぐそばの園舎内にトイレがあるならよいのですが、子どもが一人で園舎の奥でトイレを済ませることは難しいです。その場合は子ども用のトイレを設置しましょう。
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