病院内・企業内に保育園を開園するべき?判断基準をわかりやすく解説
保育園を開園するべきか悩んだ時、3つのポイントから判断することができます。
保育園開園が失敗に終わってしまわないよう、開園を最終決定する前に一度立ち止まって考えてみましょう。
目 次
はじめに
病院内・企業内に保育園を開園する時に必ず理解するべきこと・検討するべきことがあります。
ここを疎かにしてしまうと多額の資金をかけて開園したにも関わらず、
「園児が全く集まらない」
「予想していたよりも採算が合わない」
……といったような事態を招きかねません。
保育園開園が失敗に終わってしまわないよう、開園を最終決定する前に一度立ち止まって考えてみましょう。
保育園運営は儲かる?儲からない?
保育園を開園し、継続的な運営をするにあたって設置者が一番気になるのは、やはり“お金”の面ではないでしょうか。
多額の資金を投じて保育園を開園するのであれば、少しでも利益を出したいと考える設置者もいます。
では、実際に保育園運営は儲かるのでしょうか?
答えは“ノー”です。
理由は保育園の一番の収入源である補助金を受け取ることが難しくなっているからです。
では、なぜ補助金を受け取ることが難しくなっているのでしょうか?
国や地方自治体の補助金制度に申請し、承認されることで補助金を受け取れます。
補助金額が大きい制度は、企業主導型保育事業制度と子ども子育て支援新制度(事業所内保育事業)です。
しかし、2022年10月現在、企業主導型保育事業制度は制度開始時に目標として設定された定員11万人分の受け皿確保が概ね達成されたことを受けて、新規募集を停止しています。
子ども子育て支援新制度(事業所内保育事業)は、保育園数の増加やコロナ禍による利用控えが影響し、既存の認可保育園でも定員割れの施設が増えてきているため、保育園の新設を許可してもらえないケースもあります。
つまり、補助金制度を利用しての保育園新設は非常に困難な状況にあり、補助金を受け取りたくてもできない可能性が大きいのです。
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地方自治体独自の補助金制度がある場合にも、ごく少額のため、利益が出るほどの補助金は受けられません。
認可外保育園は基本的に補助金の支給がないものとして考え、これから病院内・企業内に新しく保育園を開園する場合は、赤字を覚悟する必要があるでしょう。
しかし、保育園自体は赤字でも、自院・自社の従業員や地域住民のために保育園を設置することで、従業員の福利厚生の充実・雇用安定に繋がったり社会貢献に寄与できたりと、病院・企業の経営に大きな利益をもたらすこともできます。
保育園を設置する目的がどこにあるのか、今一度考えてみましょう。
保育園を開園するべきか判断する基準は?
保育園を開園するにあたって赤字を覚悟しなければならないと知って、尻込みしてしまった方もいるのではないでしょうか。
赤字をしてまで保育園を開園すべきか迷ったら、今からお伝えする3つの基準を元に判断してみましょう。
目的
どうして保育園を開園するのか、動機をもう一度整理しましょう。
動機を整理することで、開園後に目指す姿やそれに向かって何をするべきなのかが明確化されます。
ニーズ
病院内・企業内にどのくらい利用希望者がいるか、保護者がどんな保育園を望んでいるかといったニーズを調査しましょう。
実態と合わない保育園を開園して”使われない保育園”になったり、無駄な費用がかかったりすることを防げます。
ニーズ調査の結果、利用を希望する従業員が少ない場合は開園を見送る選択肢も検討しましょう。
コスト
保育園の開園には莫大なコストがかかるため、開園計画を進める前に費用を試算してみましょう。
保育園を新しく作る場合には、場所を確保する費用が必要です。これは建物を建設、改築するか、賃貸を借りるかで大きく異なります。
ランニングコストの大部分を占めるのは職員の人件費です。人件費は園児の人数・開園時間などによって大きく変わります。
自院・自社で目指す保育園を作るにはどのくらいのコストがかかるかを事前に把握することで、赤字を許容できるラインが見えてくるでしょう。
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制度(どんな種類の保育園にするか)
3つの基準で判断し、開園が正式に決まったら、まずはどんな種類の保育園にするか、保育園の制度を決めましょう。
保育園の制度は大きく3つあります。
認可外保育園
自治体の認可を受けていない保育園を「認可外保育園」と言います。
自治体の認可を受けている認可保育園に比べて開園要件が寛容なので、従業員の働き方やニーズに合わせた保育園運営が可能です。
補助金制度がほとんどないために設置者の費用負担は大きくなります。
しかし、後述する企業主導型保育事業制度と子ども子育て支援新制度(事業所内保育事業)で開園できる可能性が限りなく低いため、これから保育園を開園する場合に一番実現可能性が高いと言えます。
企業主導型保育園
企業主導型保育園は、企業主導型保育事業制度を利用する保育園です。
多額の助成を受けられるため、先ほど紹介した認可外保育施設とは違い設置者の費用負担を少なくできます。
しかし、企業主導型保育園は令和4年度時点では受け入れを停止しているため、2022年10月現在では企業主導型保育園で保育園を新しく開園することは残念ながらできません。
事業所内保育園(認可)
事業所内保育園は子ども子育て支援新制度の「地域型保育事業」の1つで、従業員の子どもを対象にしている「事業所内保育事業」にあたります。
自治体の認可を受けている認可保育園になるため多額の補助金を受け取れるほか、自治体が地域枠の斡旋をしてくれるため、園児募集が容易にできます。
園児が増えればその分補助金額も増えるため、保育園としての収入を更に確保することが可能です。
ただし、待機児童が解消されつつあることから、自治体から設置許可をもらえるハードルが高くなっています。
各制度の詳しい説明や、各制度の比較は下記の記事で行っています。こちらもぜひご確認ください。
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開園が決まったら?開園までにやることは多岐に渡る
保育園開園までに決めないといけないこと、やらないといけないことはほかにも山のようにあります。
- 給食の提供方法
- 特別保育の有無
- 保育料
- 保育士採用
- 園児募集
- 備品の選定・発注
- 自治体への提出書類の作成
などなど
ここに書ききれないような膨大な工数をこなしてやっと、保育園は開園できるのです。
保育園を直営で開園するにはノウハウがないと難しい
例として挙げたように開園までにやるべきことは多岐にわたるため、計画的に進めることがとても大切です。
開園までに園児や保育士が集まっていなかったり、必要な設備・備品が準備できていなかったりすると、開園時期が遅れていき、最悪の場合開園できなくなります。
では、何から優先的にとりかかればいいのでしょうか?またいつまでに何が準備できていないといけないのでしょうか?
どんな段取りで準備を進めていけばいいのか分からないまま、保育園開園の担当者が闇雲に努力しているケースが多く見受けられます。
これでは、他の業務もある中で保育園を開園しなければいけないのにとても非効率ですよね。
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