保育園の感染症対策マニュアル|季節別の予防策
保育園での感染症対策を季節別にわかりやすく解説。
基本の衛生習慣から発生時の対応、園と家庭の協力体制まで、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりをサポートします。
目 次
- 1. なぜ保育園では感染症対策が特に重要なのか
- 1-1. 乳幼児は免疫力が低く、感染拡大しやすい環境
- 1-2. 園の信用を守る“日常の衛生管理”
- 2. 基本の感染症対策|年間を通じて実施すべき衛生管理
- 2-1. 手洗い/うがい/消毒の徹底
- 2-2. 換気/湿度管理
- 2-3. 玩具/タオル/寝具の消毒ルール
- 2-4. 職員の健康チェック体制
- 3. 季節別に見る主な感染症と対策ポイント
- 3-1. 春(3〜5月):感染性胃腸炎/溶連菌感染症
- 3-2. 夏(6〜8月):手足口病/プール熱/ヘルパンギーナ
- 3-3. 秋(9〜11月):RSウイルス感染症/咳・鼻水症状
- 3-4. 冬(12〜2月):インフルエンザ/ノロウイルス
- 4. 感染症発生時の対応と保護者連絡
- 4-1. 園内で発症した場合の流れ
- 4-2. 発生状況を共有する掲示/配布物の工夫
- 4-3. 保護者への連絡文例(メール/掲示用テンプレート付き)
- 5. 園内感染拡大を防ぐための運用・体制のチェックポイント
- 5-1. 職員間の連絡/共有体制
- 5-2. 消毒/清掃のルーティン化
- 5-3. 保護者様との協働で対策を強化
- 6. まとめ|日常に溶け込む“感染症対策”を
- 6-1. 一時的な対応ではなく“習慣化”が鍵
- 6-2. 園・家庭・地域が連携する仕組みづくりを
- 6-3. 小さな配慮が、安心と信頼を生む
- 7. 保育園運営の専門家に無料で相談
なぜ保育園では感染症対策が特に重要なのか
乳幼児は免疫力が低く、感染拡大しやすい環境
乳幼児期は、まだ免疫機能が十分に育っていないため、わずかなウイルスや細菌でも発熱や下痢、発疹などの症状につながりやすい時期です。
さらに保育園では、感染症の予防や対策が難しくなる以下の特徴があります。
●同じ空間で長時間過ごすため、接触感染や飛沫感染のリスクが高い
●おもちゃやタオル、机、ドアノブなど、多くのものを共有している
●咳やくしゃみを自分でコントロールできず、手で口を覆う習慣がまだ不十分
こうした環境で感染症が広がると、園児の家庭やきょうだい、祖父母世代にまで影響し、地域全体の感染状況にも波及します。
そのため、保育園の感染症対策は園内だけで完結するものではなく、地域の健康を守るうえでも重要な役割を担っています。
園の信用を守る"日常の衛生管理"
ある程度の感染症流行は避けにくいものの、保育園の感染症対策が不十分な場合、以下のようなリスクが生じます。
●同じクラスで感染症が連続発生し、保育園の運営が不安定になる
●感染症対策マニュアルが曖昧で、職員によって対応の差が出る
●保護者様にとって「何がどこまで行われているか」が見えず、不信感につながる
一方で、日常的な衛生習慣や、わかりやすい感染症対策マニュアル、園内での見える対策を積み重ねることは、以下のような理由から「ここなら安心して預けられる」という信頼につながります。
●手洗い・うがい・消毒のルールが明文化されている
●清掃・消毒の実施状況が一覧で確認できる
●感染症流行時に、園と家庭で共通の予防ポイントを共有している
こうした"日常の衛生管理"こそが、保育園の感染症対策を支える土台です。
基本の感染症対策|年間を通じて実施すべき衛生管理
手洗い/うがい/消毒の徹底
もっとも基本的で効果的な感染症予防策は「手洗い」です。
保育園では、園児も職員も「いつ・どのように行うか」を以下のように具体的に決めておくことが重要です。
●登園時、食前、排泄後、外遊び後は必ず手を洗う
●石けんと流水で20秒程度しっかり洗う
●ハンドタオルは個別に使用し、共有しない
手洗いのタイミングや方法をイラスト付きポスターで洗面所に掲示することで、保育園の感染症対策を"目で見てわかる"形にできます。
さらに、歌を歌いながら20秒数えるなど、日常保育に自然に組み込む工夫も効果的です。
アルコール消毒も有効ですが、乳幼児の場合は肌荒れや誤使用のリスクがあるため、保護者様の意向や園児の状態に配慮しながら活用することが大切です。
換気/湿度管理
ウイルスは乾燥した環境で広がりやすく、室内の空気がこもると感染症のリスクが高まります。
そこで、保育園の感染症対策マニュアルには、換気と湿度管理の基準を以下のように明記をしておくことが重要です。
●1時間ごとを目安に換気を行う
●冬季は加湿器などで湿度50〜60%を維持する
●窓開放が難しい場合はサーキュレーターを併用する
ただし、冷暖房効率とのバランスもあるため「常に窓全開」は現実的ではありません。
保育園の間取りに合わせて、どの窓をどの程度開けるか、サーキュレーターをどこに置くかなど、運用ルールを決めておくことで感染症予防と快適さの両立がしやすくなります。
玩具/タオル/寝具の消毒ルール
保育園では、玩具やタオル、寝具など多くの園児が触れる備品が感染症拡大の原因になりやすいため、「どの頻度で」「誰が」消毒や洗濯を行うかを明確に決めることが重要です。
●玩具:1日1回を目安にアルコールまたは次亜塩素酸水で拭き取り
●タオル:園所有のものは、クラスごと・個人別がわかる形で運用
●寝具:週1回以上の洗濯と、季節ごとの天日干しを実施
特に乳児クラスでは、玩具を口に入れる場面が多いため、布製・木製・プラスチック製など素材に応じた洗浄・消毒方法をマニュアルにまとめておくと安心です。
さらに、洗濯や天日干しの実施日を年間スケジュールに組み込むことで、属人化を防ぎ、安定した運用ができます。
職員の健康チェック体制
体調不良の職員の無理な出勤は、園児やほかの職員、さらには家庭へと感染が広がりやすくなります。
保育園の感染症対策は、園児のみならず職員の健康管理も含め、以下のように一体的に考える必要があります。
●毎朝の体温測定と簡単な体調チェックを実施する
●咳・発熱・倦怠感などの症状がある場合は、早めの相談・受診を促す
●体調不良時に休めるよう、代替要員体制をあらかじめ検討しておく
代替要員の確保は簡単ではありませんが、「誰かが無理な出勤をすることは、かえって長期的な職員不足を招く」という視点も大切です。
職員も含めた保育園全体で、感染症予防と働きやすさのバランスを話し合っておくことが、現実的な感染症対策マニュアルづくりにつながります。
季節別に見る主な感染症と対策ポイント
春(3〜5月):感染性胃腸炎/溶連菌感染症
春先は、嘔吐や下痢を伴う感染性胃腸炎や、発熱・咽頭痛が特徴の溶連菌感染症が見られやすい季節です。
少人数から始まった症状が、あっという間にクラス全体に広がることもあります。
【対策ポイント】
●嘔吐物処理手順を全職員で共有し、消毒液を常備する
●机・トイレ・ドアノブなど、高頻度で触れる箇所の清掃頻度を高める
嘔吐物処理は、マニュアルを紙で配布するだけでなく、実際に手順を確認する研修を設けることが効果的です。
保育園の感染症対策としてより実践的になります。
また、溶連菌など飛沫感染・接触感染のリスクが高い感染症では、手指消毒・マスク着用・共用タオルの見直しなど、日常的な予防策の徹底が重要です。
夏(6〜8月):手足口病/プール熱/ヘルパンギーナ
夏場は、手足口病やヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜熱)など、水遊びや汗をかく活動と関連して感染症が広がりやすくなります。
【対策ポイント】
●プール利用時の衛生点検表を作成し、毎回チェックする
●水遊び後は必ずシャワーを浴び、タオルの共有は禁止にする
プールや水遊びは保育園生活の楽しみの一つですが、感染症リスクも伴います。
利用前後の水質確認や、目に見える汚れの有無、消毒状況などを一覧化した「衛生点検表」があると、現場での判断がしやすくなります。
また、タオルや水着の管理については家庭との連携が重要です。
保護者様向けへのご案内には、
●「必ず名前を書いて個人用として使用すること」
●「使用後はすみやかに持ち帰り、洗濯をお願いすること」
など、具体的に伝えることで感染症予防につながります。
秋(9〜11月):RSウイルス感染症/咳・鼻水症状
秋口からは、RSウイルス感染症を含む呼吸器系の感染症が増えてきます。
咳や鼻水が長引く園児が増えるため、保育園の感染症対策・予防がより重要になる時期です。
【対策ポイント】
●鼻水処理時は手袋・マスクを着用し、処理後は必ず手指消毒を行う
●室内加湿を行い、タオル掛けに名前シールを付けて個人識別する
鼻水や咳の処理は頻度が高く、つい素手で対応してしまいがちな場面です。
流行期には、保育園全体で「必ず手袋着用」「処理後はすぐに手洗い・消毒」というルールを再確認しましょう。
また、タオル掛けにクラスごと・園児ごとの名前シールを貼ることで、タオルの取り違えによる感染拡大リスクを減らすことができます。
冬(12〜2月):インフルエンザ/ノロウイルス
冬は、インフルエンザやノロウイルスなど、保育園に大きな影響を与える感染症が流行しやすい季節です。
短期間に多くの園児や職員が同時に登園・出勤ができない事態も起こりやすくなります。
【対策ポイント】
●体温管理や登園基準を事前に共有し、迷いなく判断できるようにする
●消毒液・マスク・加湿器・体温計の在庫を早めに確認する
インフルエンザやノロウイルスのシーズン前に、
●「発熱何度以上で登園を控えるか」
●「解熱後何日経過で登園再開とするか」
といった登園基準を保護者様と共有しておくことが重要です。
また、冬期の感染症対策として、必要な消毒液やマスク、加湿器用フィルター、体温計の電池などを早めに点検・補充しておくことで、流行期に慌てず対応できます。
保育園の感染症予防は、事前準備が大きな鍵です。
感染症発生時の対応と保護者連絡
園内で発症した場合の流れ
園内で感染症が疑われる症状が出た場合、対応の遅れや判断の迷いが感染拡大につながります。
そこで、保育園の感染症対策マニュアルには、以下の流れを明確に定めておくことが重要です。
●発症園児を一時的に隔離し、静かなスペースで見守る
●すみやかに保護者様へ連絡し、早めの医療機関受診を促す
●ほか園児・職員への感染拡大を防ぐため、周辺の消毒と記録を即時に実施する
隔離スペースは、普段は別の用途で使っている部屋でも構いませんが、「どの部屋をどのように使うか」「誰が付き添うか」を事前に決めておくことが大切です。
さらに、どの範囲を消毒対象にするか、どの帳票に記録を残すかもマニュアルで明確にしておくと、スムーズな対応が可能になります。
発生状況を共有する掲示/配布物の工夫
感染症の発生状況を保護者様にどう伝えるかは、保育園の感染症対策において重要なポイントです。
必要以上に不安を与えず、適切な注意喚起ができる工夫が求められます。
【伝え方の工夫例】
●園内掲示:「○○感染症が流行しています。以下の点にご注意ください」
●区画別掲示で、クラス単位の流行状況をわかりやすく示す
例えば、玄関や職員室前に「今週の感染症情報」として掲示し、どのクラスでどの程度の発症があるかを簡潔に記載する方法があります。
保護者様にとっては、「自分の子どものクラスの状況」がわかることが、日々の体調チェックを強化するきっかけになります。
保護者への連絡文例(メール/掲示用テンプレート付き)
保育園の感染症対策・予防の観点から、以下のテンプレートをベースにしつつ、「感染症ごとの登園基準」や「家庭での注意点」などを追記できるようにしておくと便利です。
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件名: ○○感染症の発生について
本文:
現在、当園にて○○感染症の発症が確認されています。
感染拡大防止のため、下記の点にご協力をお願いいたします。
・登園前に体温/体調の確認
・手洗い/うがい/マスクの着用習慣
発熱/下痢/発疹などの症状がある場合は登園をお控えください
ご理解とご協力をお願いいたします。
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園内感染拡大を防ぐための運用・体制のチェックポイント
職員間の連絡/共有体制
症状が出ている園児の情報や、感染症の発生状況をどれだけスムーズに共有できるかは、保育園の感染症予防に大きく影響します。
【共有と制限のポイント】
●症状の報告・発生状況をリアルタイムで可視化する
●クラス間の職員移動を制限し、接触経路をできるだけ減らす
具体的には、職員室に「感染症状あり」一覧ボードを設け、欠席理由や医師の診断名がわかる範囲で共有する方法があります。
また、ICTを活用してクラスごとの情報を記録・共有する園も増えていますが、重要なのは「誰が何を見れば状況がわかるか」を明確にしておくことです。
さらに、流行期にはクラス間の応援保育を最小限に抑えるなど、園内での接触経路を減らすことも感染症対策の一つです。
消毒/清掃のルーティン化
感染症対策を効果的にするには、消毒や清掃を「良さそうだからやる」から一歩進め、「誰が・いつ・どこを・どのように行うか」を明確にすることが重要です。
【運用のポイント】
●担当者・実施日を一覧管理し、当番制にして継続する
●点検表やチェックリストを使い、"やったつもり"を防ぐ
例えば、「月曜日は机といす」「火曜日はドアノブと手すり」といったように、曜日ごとの重点箇所を決める方法も有効です。
すべてを毎日完璧に行うのではなく、園の規模や人員に応じた現実的なルーティン検討することが重要です。
保護者様との協働で対策を強化
保育園内でどれだけ感染症対策を行っても、家庭での予防が追いつかなければ、再び園にウイルスが持ち込まれてしまいます。
園と家庭が同じ基準で動くことが、感染症予防の大きな力になります。
【協力のポイント】
●園と家庭が同じ基準で動くことで、感染を減らしやすくなる
●園だよりやSNSで"季節の感染症情報"を定期的に発信する
園だよりでは、
●「今月の主な感染症」
●「園での対策」
●「ご家庭でお願いしたいこと」
をセットで伝えると、保護者様も行動に移しやすくなります。
また、SNSやアプリを活用してタイムリーに情報共有することも効果的です。
園と家庭の協働が、より確実な感染症予防につながります。
まとめ|日常に溶け込む"感染症対策"を
一時的な対応ではなく"習慣化"が鍵
感染症が流行したときだけ対策を強化するやり方では、どうしても対応が後手に回りがちです。
重要なのは、日常の保育に予防策を組み込み、少しずつ・長く続ける仕組みを作ることです。
【習慣化のポイント】
●手洗いや換気、清掃・消毒を保育の一部として定着させる
●感染症対策マニュアルを毎年見直し、小さな改善を積み重ねる
●職員研修や園内会議で、定期的に衛生管理を振り返る
完璧さを求めるよりも、園の実情に合わせた現実的な運用を継続することが大切です。
こうした取り組みが、保育園の感染症予防を支える土台になります。
園・家庭・地域が連携する仕組みづくりを
保育園の感染症対策は、園だけでは完結しません。
家庭・地域・医療機関などとの連携があってこそ、予防と早期対応がスムーズに進みます。
【連携のポイント】
●地域の医療機関や保健センターからの情報をこまめに確認する
●保護者様向け説明会などで、感染症予防の基本を共有する
●近隣園との情報交換や、自治体主催の研修への参加を検討する
園・家庭・地域が同じ方向を向いて動くことで、保育園における感染症対策はより現実的で効果的なものになります。
小さな配慮が、安心と信頼を生む
最後に、感染症対策は、保護者様へ見える形での安心感とも深く関係しています。
小さな工夫の積み重ねが、「この保育園は日頃からしっかり感染症予防に取り組んでいる」という信頼につながります。
【見える工夫の例】
●入口に設置された消毒液や、こまめな換気の様子
●手洗いの歌やポスター、清掃チェック表の掲示
●感染症発生時の丁寧な連絡と、わかりやすい説明
こうした取り組みは、保護者様にとって「安心して預けられる園」であることを示すことができ、信頼につながります。
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